俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
***
あれから結局、夏香とは顔を合わせてはいない。
今朝も俺を避けるように夏香は先に出社していた。
LINEも既読にならない。無視されても仕方がないくらいに酷いことをしてしまったことは分かっている。
それでも、一度きちんと話がしたい。
こういうときに限って、今日はほぼ外回りで会社に立ち寄る暇がない。
絶対にこのまま夏香との関係を終わらせたくはない。
とにかく今日は仕事を早く終わらせて夏香と向き合いたい。
「瀬名課長、なんか元気ないっすね? もしかして恋煩いとか?」
「なわけないだろ」
タクシーで商談相手のもとへ向かう途中、隣に座る宝来が俺の顔を覗き込む。
意外と鋭い宝来に俺は一瞬、動揺してしまった。
とにかく今は仕事に集中しなければ。
客の前でこんなテンションでいたら失礼でしかない。
「それにしても相手方の急なアポイント、よく受けましたね」
宝来が言うように先方から連絡が来たのは三日前のこと。
もともと今日は予定がいっぱいだったため、別日に日程を調整してもらおうとしたのだが、先方が今日しか時間が取れそうにないというので、無理くり今日に詰め込んだ。
あれから結局、夏香とは顔を合わせてはいない。
今朝も俺を避けるように夏香は先に出社していた。
LINEも既読にならない。無視されても仕方がないくらいに酷いことをしてしまったことは分かっている。
それでも、一度きちんと話がしたい。
こういうときに限って、今日はほぼ外回りで会社に立ち寄る暇がない。
絶対にこのまま夏香との関係を終わらせたくはない。
とにかく今日は仕事を早く終わらせて夏香と向き合いたい。
「瀬名課長、なんか元気ないっすね? もしかして恋煩いとか?」
「なわけないだろ」
タクシーで商談相手のもとへ向かう途中、隣に座る宝来が俺の顔を覗き込む。
意外と鋭い宝来に俺は一瞬、動揺してしまった。
とにかく今は仕事に集中しなければ。
客の前でこんなテンションでいたら失礼でしかない。
「それにしても相手方の急なアポイント、よく受けましたね」
宝来が言うように先方から連絡が来たのは三日前のこと。
もともと今日は予定がいっぱいだったため、別日に日程を調整してもらおうとしたのだが、先方が今日しか時間が取れそうにないというので、無理くり今日に詰め込んだ。