俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
「……ごめん。嫌だったか?」

ピタっと旭さんの動きが止まり、心配そうに私の顔を覗く。

そうじゃないと言わんばかりに私は強く首を横に振った。

「その……嫌とかじゃなくて」

「じゃなくて?」

「私……こういうことするのが初めてで。だから、昨日もびっくりして……ああいう態度を取ってしまったというか……」

「そうだったのか。なおさら昨日は怖い想いをさせてしまって悪かった」

旭さんが優しく頬を撫でてから、おでこにキスを落とした。

「なぁ、夏香?」

声色はやわらかくて、向けられるまなざしは情熱的。心音の高鳴りを感じながらまっすぐに旭さんを見上げる。

「……はい」

「夏香は一生、俺だけに溺れてろ。他の男は知らなくていいから」

頬を赤らめながうなずくと、唇に甘いキスが降ってきた。

優しく繰り返される愛撫。

いつの間にか一糸まとわぬ姿になっていて、解放された胸に旭さんが顔を埋める。
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