俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
『今日もいつものやつ頼む』

口角の上がった薄型の唇から放たれる低く穏やかな声。さらりと流れる黒髪の短髪からは清潔感が漂っている。

そして、すっきりとした顎ラインにスッと高めの鼻筋。理想的なパーツが絶妙に配置された小さな顔は、美しいという形容詞がよく似合っていて、よく周りの女性のお客様が彼を見ていた気がする。

『ホットコーヒーとミックスサンド。そして食後にヨーグルトパフェでよろしいですか?』

『おっ! 正解。ちゃんと覚えてんじゃん。もしかして俺に興味があったりする?』

涼しげなアーモンドアイが私を捉える。

どう解釈したらそういう発想になるの?

意味が分からない。そんなつかみどころがない彼に私はよく絡まれていた。
< 9 / 150 >

この作品をシェア

pagetop