俺様御曹司はドン底OLを娶り愛でる~契約結婚だと思っていたのは私だけですか?~
***

「旭さん……ダメです。遅刻しちゃう」

「しばらく夏香に触れられないんだから、今日のうちに触れておかないと」

「……んっ」

私の反応を楽しむかのように旭さんの指先が動き回る。

会社に向かおうと玄関に向かおうとしたら、旭さんに呼び止められた。

足を止めると後方から抱きしめられ、首筋に唇を這わされ思わず甘い声を上げてしまった。

旭さんと想いが通じ合ってからほぼ毎日、身体を合わせている気がする。

旭さんは意外と甘えん坊で性欲が強い。

今だって会社に出社しなきゃいけない時間なのに、彼の腕の中で私は甘い蜜に溺れかけている。

今日からしばらく旭さんに触れられなくなるのが寂しい。

旭さんは仕事の打ちあわせで今日からニューヨークに行く。帰ってくるのは十日後。

「夏香と離れたくねぇな」

ストレートに愛情表現してくれることがうれしい。

「色っぽい顔する夏香を見てたら抱きたくなってきた」

服越しでも分かるくらいに、おしりに固いものが当たる。

「さすがにダメです!!」

頬を膨らませながら旭さんの方を振り向くと、彼がニヤリと笑う。
< 94 / 150 >

この作品をシェア

pagetop