RED&BLACK
可哀想な女の子
昔々あるところに、一軒の屋敷がありました。その屋敷には醜い主人と妻が住んでおりました。そんな妻のお腹の中には、赤ちゃんがいました。
「どうか、私よりも醜い子が産まれますように……」
妻は毎日のように祈りを捧げる部屋に通い詰めました。その部屋には、禍々しい雰囲気の恐ろしい怪物たちの絵が飾られています。
そして、妻が祈りを捧げて生まれてきたのはーーー稀有なる美しさを持った女の子だったのです。
それから七年後、一人の少女がほうきを手に広く豪華な調度品が置かれた屋敷の掃除をしていた。まだ七歳になったばかりの少女の名前はシェラ。ツギハギだらけの服を着て、小さな手で一生懸命掃除をしている。
金糸のような美しい長い金髪は、長さが揃っておらず、ボサボサである。白い肌は煤で汚れ、ガーネットのような赤い瞳はどこか寂しげである。だが、七歳とは思えないほどの美しさを持った少女だ。
すると、部屋のドアが乱暴に開いた。大きなその音に驚きながらシェラがドアの方を見ると、ダイヤモンドの散りばめられた豪華なドレスを着た女性が腰に手を当てて立っていた。
「どうか、私よりも醜い子が産まれますように……」
妻は毎日のように祈りを捧げる部屋に通い詰めました。その部屋には、禍々しい雰囲気の恐ろしい怪物たちの絵が飾られています。
そして、妻が祈りを捧げて生まれてきたのはーーー稀有なる美しさを持った女の子だったのです。
それから七年後、一人の少女がほうきを手に広く豪華な調度品が置かれた屋敷の掃除をしていた。まだ七歳になったばかりの少女の名前はシェラ。ツギハギだらけの服を着て、小さな手で一生懸命掃除をしている。
金糸のような美しい長い金髪は、長さが揃っておらず、ボサボサである。白い肌は煤で汚れ、ガーネットのような赤い瞳はどこか寂しげである。だが、七歳とは思えないほどの美しさを持った少女だ。
すると、部屋のドアが乱暴に開いた。大きなその音に驚きながらシェラがドアの方を見ると、ダイヤモンドの散りばめられた豪華なドレスを着た女性が腰に手を当てて立っていた。
< 1 / 24 >