RED&BLACK

「シェラ、いいキノコが採れたからこれでスープを作るわね」

ジベットが籠いっぱいに入ったキノコを見せる。彼女の作る料理はとてもおいしいため、シェラは頬を緩ませた。

「それは楽しみだわ。ジベットの作ってくれるご飯はおいしいもの！」

どんなスープができるのかシェラがわくわくしていると、「おい」と軽く肩を叩かれる。シェラが振り返ると、そこにいたのはバッシュとエレンとマイケルだった。

「昼飯食ったら、また俺たちが稽古つけてやる」

バッシュの言葉にシェラは「ええ〜……」と一瞬で顔を顰める。その様子を見てエレンが「嫌そうなの丸わかり」と笑う。

「お前は体力もなくて弱いんだから、きちんと鍛えないと森の中で生きていけないぞ！」

マイケルが苦笑しながら言い、子どもをあやすようにシェラの頭を撫でる。シェラは「う〜……」と嫌そうな顔をしたままである。

この森の中にある家に住むようになってから、シェラはユーゴたちに交代で剣術や銃の扱いを教えて貰っている。自分の身は自分で護れるようにならなくてはならないからだ。