一夜の過ちは一生の過ちだった 【完】
「アオイちゃん、クロエくんって最近さ……何かあった?」
ケーキを食べ終えると、姫野さんはそう言った。
クロエさんの名前を出されただけなのに、心臓は止まりそうになった。
「何かって?」
「さっき、ナナくんから連絡があって。
クロエくんがイギリスに行くのをやめるみたい、って」
「……イギリス?」
「クロエくんとナナくんが尊敬してるカメラマンの人がイギリスで活動していて、クロエくんが一緒に仕事をするって話があったみたい。
秋から一年とか二年とか、それぐらいの期間」
「そんな話があったんですか……」
聞いたことない、そんな話。
「ナナくん、ずっと前からこの事は口止めされてたんだって。
送迎会とか絶対にされたくないから、周りには言うなって。
なのに急に、やめようと思うって言われたみたい」
「理由は……七星さんには何て言っていたんですか?」
「理由を聞いても、詳しく教えてくれなかったみたい。
ナナくん心配してた。
何かあったんじゃないか、って」
せっかく一緒に仕事が出来るのに……。
仕事の事はよくわからないけど、どこにでもあるような話じゃない。
前に七星さんも、そのカメラマンの人の話をしていた。
いつか一緒に仕事が出来たら最高だ、と。
カイトさんがいる日本から、離れたくないから?
自分が知らないだけで他に理由があるかもしれない。
だけど、どうしてもカイトさんが頭をチラついてしまう。
ケーキを食べ終えると、姫野さんはそう言った。
クロエさんの名前を出されただけなのに、心臓は止まりそうになった。
「何かって?」
「さっき、ナナくんから連絡があって。
クロエくんがイギリスに行くのをやめるみたい、って」
「……イギリス?」
「クロエくんとナナくんが尊敬してるカメラマンの人がイギリスで活動していて、クロエくんが一緒に仕事をするって話があったみたい。
秋から一年とか二年とか、それぐらいの期間」
「そんな話があったんですか……」
聞いたことない、そんな話。
「ナナくん、ずっと前からこの事は口止めされてたんだって。
送迎会とか絶対にされたくないから、周りには言うなって。
なのに急に、やめようと思うって言われたみたい」
「理由は……七星さんには何て言っていたんですか?」
「理由を聞いても、詳しく教えてくれなかったみたい。
ナナくん心配してた。
何かあったんじゃないか、って」
せっかく一緒に仕事が出来るのに……。
仕事の事はよくわからないけど、どこにでもあるような話じゃない。
前に七星さんも、そのカメラマンの人の話をしていた。
いつか一緒に仕事が出来たら最高だ、と。
カイトさんがいる日本から、離れたくないから?
自分が知らないだけで他に理由があるかもしれない。
だけど、どうしてもカイトさんが頭をチラついてしまう。