一夜の過ちは一生の過ちだった 【完】
無機質なコンクリート打ちっぱなしの壁に、真っ白なベッドと真っ白なシーツ。
広い部屋の中にベッドしかないというのは、こんなにも生活感がないものなのかと、まだ鈍い頭で考える。
起きようという思いとは裏腹に、身体をシーツにゆだねてしまうのは、きっと肌に吸いつくようなシーツのせい。
いったい何時だろう。
今日、何かやらなきゃいけない事はあっただろうか。
何もないなら、もう少しこうしていたい。
こんなに深く眠れたのは、久しぶりだから。
だけど
―――ここは、いったいどこだろう。
思わず飛び起きると、全身からみるみる血の気が引いていった。
自分の家ではない。
友達の家でもない。
ホテルかと思ったけれど、ホテルにしたら物がなさすぎる。
服も下着も着けているけれど、自分の服ではない。
昨夜の記憶をどうにか辿ろうとするけれど、まったく思い出せない。
一つだけ確かなことは、すごくすごく――お酒臭い。