一夜の過ちは一生の過ちだった 【完】
キッチンへ向かうと、姫野さんは大きなお鍋を下ろした。
「ヒメ、これ何人前。
今年は六人って……」
「ああ、クロエくんはちゃんと今年は六人って連絡くれたよ。
僕がうっかり作り過ぎちゃっただけ。
久しぶりに料理したら楽しくなっちゃって」
「去年もそう言ってた」
「あはは、バレた?
特に最近は忙しくて、食事はコンビニで済ましてばかりだったから」
「そのうち倒れる」
「大丈夫。ひと段落ついたし、有給消化しろって上からも言われたから、今月は休むよ。
やっぱりカレー作り過ぎたな……。
まぁ、ナナくんが持って帰ってくれるよね」
姫野さんと話すクロエさんは、いつもより少しだけ男の子っぽく見える。
昨日、本当に自分がクロエさんのプライベートの集まりに参加して良いのか聞いた。
なんだか申し訳なくて。
クロエさんは、同じ家の中にいるのに自分だけがニンニク臭いのは嫌だ、と言った。
たまたまかもしれないけど、クロエさんは受け入れやすい言葉をくれる。
遠慮しないで参加して、と言われたとしても、それは間違っていない。
だけど、クロエさんのくれた言葉の方が、自分には受け入れやすい。
クロエさんがそこまで考えて言ったのかは、わからないけど。
参加して良かった。
クロエさんの新しい一面を見れた気がする。
やっぱり表情はあまり変えないし、口数も多いってわけじゃないけど。
アシスタントの七星さんや、知り合ったばかりの自分の前とでは違う。
それでも、どこか捉えられない様な感じはあるけれど。
「ヒメ、これ何人前。
今年は六人って……」
「ああ、クロエくんはちゃんと今年は六人って連絡くれたよ。
僕がうっかり作り過ぎちゃっただけ。
久しぶりに料理したら楽しくなっちゃって」
「去年もそう言ってた」
「あはは、バレた?
特に最近は忙しくて、食事はコンビニで済ましてばかりだったから」
「そのうち倒れる」
「大丈夫。ひと段落ついたし、有給消化しろって上からも言われたから、今月は休むよ。
やっぱりカレー作り過ぎたな……。
まぁ、ナナくんが持って帰ってくれるよね」
姫野さんと話すクロエさんは、いつもより少しだけ男の子っぽく見える。
昨日、本当に自分がクロエさんのプライベートの集まりに参加して良いのか聞いた。
なんだか申し訳なくて。
クロエさんは、同じ家の中にいるのに自分だけがニンニク臭いのは嫌だ、と言った。
たまたまかもしれないけど、クロエさんは受け入れやすい言葉をくれる。
遠慮しないで参加して、と言われたとしても、それは間違っていない。
だけど、クロエさんのくれた言葉の方が、自分には受け入れやすい。
クロエさんがそこまで考えて言ったのかは、わからないけど。
参加して良かった。
クロエさんの新しい一面を見れた気がする。
やっぱり表情はあまり変えないし、口数も多いってわけじゃないけど。
アシスタントの七星さんや、知り合ったばかりの自分の前とでは違う。
それでも、どこか捉えられない様な感じはあるけれど。