一夜の過ちは一生の過ちだった 【完】
―――カイトさん。
多分、その人がクロエさんが失ってしまった人。
自分と似た身体の人………。
その後のパーティーの事は、ぼんやりとしか覚えていない。
ちゃんと覚えているのは姫野さんと話した事。
みんな仲が良いんですねと言ったら、もう一人いたんだけどね、と返された。
そう言われた直後に、律さんが姫野さんにワインを開けろと叫んだので、その話はそれ以上しなかった。
姫野さんもカイトさんと友達だったのかもしれない。
あと覚えているのは、餃子とカレーが混ざった香りは強烈だけど、パーティーが進んでしまえば慣れてしまうという事。
クロエさんがスポーツは嫌いだという事。
姫野さんと律さんは時間が合えばバスケやボルダリングを一緒にやるけれど、クロエさんと七星さんは参加しないらしい。
律さんが自分の髪型は好きなバスケ漫画のキャラクターへのリスペクトを込めて、黒髪のワンレンロングなんだと言った。
七海さんは、それバスケやってる時じゃなくてグレてた時の髪型じゃん、それに律がロングだとホストみたい、と笑った。
でも律さんにはその髪型がよく似合っていた。
参加しない理由を聞くと、七星さんは、姫野さんはレベルが違い過ぎるし、律さんのスパルタには付いていけないと言った。
姫野さんはスポーツ全般得意らしい。
確かに、そんな風に見える。
クロエさんはただ一言、汗かくの好きじゃない、と言った。
もう一つだけ思い出せるのは、七星さんがニンニクの匂いを消すには食前の牛乳が効果的らしいと、パーティーの真っ最中に言って、律さんに遅ぇよ、と怒られた事。
パーティーが終わりに近づいた頃、姫野さんが俺のPCを見てくれると言った。
クロエさんからPCの調子が悪い事を聞いたらしい。
好意はありがたいけれど断ろうとすると、七海さんが横から声をかけた。
「ヒメくんこういうの得意で、私も前にお世話になったんだよね。
有給消化中で時間もあるみたいだし、甘えちゃいなよ。
大丈夫、ヒメくんはみんなのお兄ちゃんみたいなものだから。
最年長じゃないけどね」
その言葉に姫野さんは笑顔で頷き、連絡先を交換した。
姫野さんのアイコンは、ミントチョコみたいな色をしていた。
多分、その人がクロエさんが失ってしまった人。
自分と似た身体の人………。
その後のパーティーの事は、ぼんやりとしか覚えていない。
ちゃんと覚えているのは姫野さんと話した事。
みんな仲が良いんですねと言ったら、もう一人いたんだけどね、と返された。
そう言われた直後に、律さんが姫野さんにワインを開けろと叫んだので、その話はそれ以上しなかった。
姫野さんもカイトさんと友達だったのかもしれない。
あと覚えているのは、餃子とカレーが混ざった香りは強烈だけど、パーティーが進んでしまえば慣れてしまうという事。
クロエさんがスポーツは嫌いだという事。
姫野さんと律さんは時間が合えばバスケやボルダリングを一緒にやるけれど、クロエさんと七星さんは参加しないらしい。
律さんが自分の髪型は好きなバスケ漫画のキャラクターへのリスペクトを込めて、黒髪のワンレンロングなんだと言った。
七海さんは、それバスケやってる時じゃなくてグレてた時の髪型じゃん、それに律がロングだとホストみたい、と笑った。
でも律さんにはその髪型がよく似合っていた。
参加しない理由を聞くと、七星さんは、姫野さんはレベルが違い過ぎるし、律さんのスパルタには付いていけないと言った。
姫野さんはスポーツ全般得意らしい。
確かに、そんな風に見える。
クロエさんはただ一言、汗かくの好きじゃない、と言った。
もう一つだけ思い出せるのは、七星さんがニンニクの匂いを消すには食前の牛乳が効果的らしいと、パーティーの真っ最中に言って、律さんに遅ぇよ、と怒られた事。
パーティーが終わりに近づいた頃、姫野さんが俺のPCを見てくれると言った。
クロエさんからPCの調子が悪い事を聞いたらしい。
好意はありがたいけれど断ろうとすると、七海さんが横から声をかけた。
「ヒメくんこういうの得意で、私も前にお世話になったんだよね。
有給消化中で時間もあるみたいだし、甘えちゃいなよ。
大丈夫、ヒメくんはみんなのお兄ちゃんみたいなものだから。
最年長じゃないけどね」
その言葉に姫野さんは笑顔で頷き、連絡先を交換した。
姫野さんのアイコンは、ミントチョコみたいな色をしていた。