if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~
『そんなに緊張しなくても良いよ。はい、シャンパンね』
「アッ・・あ、はい。でも、アルコールはちょっと無理で、、」
『あれ、飲めなかった? そうか、それじゃあ他の飲み物をもってこよう』
「あっ、大丈夫です。自分で戴きますから」
”なるほど、緊張している割には隙をみせない態度”に僕は微笑む。
色気がダダ洩れというのは、今の彼がその言葉を体現しているのではないかと思える程だった。彼女、薫の方も警戒心を持ちながら、視線は落ち着きなく動き回っている状態なのだ。
だから、俊はそんな反応に興味を惹かれてしまうのだろう。
『もしかして、こんな場所へは初めてだったりして?』
「は、はじめてですよッ!」
『あッああ、そうなんだ。』
僕の言葉に素直な反応をしてくる彼女だが、普通はこんな場所では 清楚な感じだったりお色気でせまって来たりする子や、可愛い顔してシナシナとすり寄る子とか、そんなお嬢さんがいっぱいだよッて後輩がレクチャーしてくれていた。しかし彼女はそのどれでもなく、まずは僕に関心をみせない。
薫は本当に焦っていた。
偶然にも目が合ったと思ったら、迷いもなく自分の傍にやってきて、話しかけるんだもの。奈々子ってば、ただ参加するだけだし何も気にすることないって言ってたじゃない! いつものように、相手を交わすタイミングもずれてしまったし。
この男性、挨拶の時だって、スマートに来たけど、何? あれ?爽やかな顔して、自分の外見が良いのをわかっててやっているのなら、まさしく”あざとい”ってこういうのを言うんじゃない?
そんな事を考えていると、彼が言ってくる。
『さっきから君の様子が気になってね、、不躾な視線を向けてたかなぁって
反省してたんだ。 君、このパーティー参加する気まったくなさそうだから』
「えッ」
『何か理由あって此処に来たって、、顔に書いてある』