if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~
オイオイ何だって?! そりゃ・・ちょっとマズイだろ!綾子さん、君は大月の恋人だよね? 僕は最高に焦ると、まずは何と言って断ろうかと考えた。
だけど、こんな短時間で上手い断り方なんて考えられるはずもなく、だからストレートに断る事にしたんだ。
『教授、さすがにそれは困ります。僕には交際している女性もいますし、
誤解も生みたくありません。ですから、僕でなく、、』
教授の顔色が一気に変わる。教授は娘にお茶を持ってくるようにと頼むと
ふたりだけになった。そして僕に宣告する。
「片瀬君、君は私の言う事だけをきいていれば良いんだよ。それでも断ると?
君の将来は悪いようにはしないって言っただろう?」
『教授、それでも、僕には・・』
「聞いてるよ。大澤学長の娘と何かと仲良くしてるみたいだね。まぁ、彼女は私の指示次第によっては どーにともなるけどね」
『教授!それはどういう意味ですか?』
「いやナニ、アハハッ・・・君の出方次第で大澤の娘もどうなるかな」
『教授、そんな』
「君の田舎のご両親はご健在かね?」
『はい?何を考えてるんですか』
顔をあげて、僕を見る坂上教授の目が怪しく光る。
「私の考えている事?そりゃ慶生大学の学長の椅子と研究成果、技術を持ち
合わせた娘婿だよ・・いいね、君が選ばれたんだよ。ご両親も喜ぶだろう」
とにかく今、坂上教授に刃向かうのは得策ではなかった。
だから、僕は今日のこの仕事を引き受けたんだ。