if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~
第4章

愛するという事

〔愛すると言う事〕


どこをどう歩いたのか・・わからない。さっきの事は 悪夢であって欲しいと思った。手首に鈍い痛みが走り その部分は洋服に隠れていたけど、見てみると顔をしかめたくなる。
さっき大月先生に乱暴されそうになり抵抗したときの痣が手首に残っていた。
その痣をみれば、あれは現実だったんだと思わされる。

突然に、ありもしない事を言われただけ。そう思い込もうと努力した。
大月先生は、ふざけて・・ふざけて
うっ・・・ぜったいに、あの話しは嘘。 嘘に決まってる
その場に膝をついて倒れそうになる。

昨日の今頃は彼と食事して楽しい時間を持てていた。
そして、別れ際のあのキスも、あの笑顔もすべてニセモノだって言うの?
私を騙すために、彼が演じたと?

ううん、違う・・・彼はそんな事をする人じゃない。

行かなきゃ、俊に会わないと。
通りの近くまで出て、タクシーを停めて彼のマンションへ向かった


大学の近くだったから すぐに俊のマンションへは来れた。
タクシーを降りて、部屋に行くためのエレベーターに乗り込り込むと
エレベーターの中の鏡に泣き出しそうな自分が映し出されていた。

部屋の前に行って、ドアベルを鳴らして彼を待ったが反応がない。彼はまだ
帰っていない様子だった。

大きなため息を吐くと、自分が惨めになった。
私、俊に会って何を聞く気? 何を確かめるの?
大月先生が言った言葉を並べて彼の反応を確かめる?

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