if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~
私のそんな言葉に明らかに不機嫌な顔をする
『薫、本当に怒るよッ! 僕は誓って嘘は言わない』
「・・・・」
『とにかく、その腕を手当しないと・・ほらッ良く見せて』
私の腕をみようとする彼から、自分の腕をふりほどいた
彼の動きが止まり、私をじっと見つめてくる。
『薫、いったいどうしたんだ? 何で、誰からそんな嘘を聞いたんだ?
確かにあんまり褒められた話じゃない。君っていう恋人がいる僕が他の女性と
一日付き合っていたんだから、、でも理由があって』
「ねぇ・・美香さんって覚えてる?」
『えッな何で君が?・・もしかして大月か?』
「そんなに驚かなくてもいいじゃない。あなたから美香さんを奪った大月先生
への復讐だって、そう聞かされたわ。そして学長の椅子を私の父から奪って
坂上教授にあげるために、私はあなたに騙されて捨てられるんだって・・」
『薫、いい加減にしてくれよッ! そんな話しを信じるだなんて』
「じゃあ、何を信じればいいの? 事実なんでしょ?美香さんの事も、
教授のお嬢さんとの事も、、」
『とにかく、怪我の手当てをしよう、あがって、話はそれからだ』
「・・・・ダメよ・・今、答えて」
私の身体を支えて部屋の中に連れていこうとする俊の手を払うと、俊は私の両肩に手を置いて真正面から顔を覗き込む。その真剣な表情から目が離せない。