if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~
「美香さんは俊を好きだったのよね?」
『さぁ、どうだろう』
「あなたを待っていたのかもしれないわ」
『美香は大月と結婚して、1年後に別れて帰国した。その後に連絡が来たけど、会っていない』
「どうして?」
私の質問に俊は少しだけ困った顔をすると、苦笑いを浮かべる
『薫に出会えてよかった。あの頃に戻ったとしても、美香とはただの同期だ』
「そう、、」
『それから、坂上教授のことだけど、僕が大学に戻されたのは学長選のためだっていうのは教えられた。薫の事は大学に戻ってから教えられたんだ。』
「私とうちの父が邪魔だと?」
『ああ、そうらしい。だけど僕は薫を本気で好きになったから、教授の期待には応えられない。まぁ、そういう態度出すもんだから、今日みたいに無理やり既成事実つくるつもりだ』
「既成事実?」
『だから、僕は何もしてないって』
薫が俊の顔をじっと見つめていると、かすかに瞳が泳いだ
「せまられた?」
『えッ? 、、まぁ、、ちょっと』
「、、で?」
『、、でって? 手を握られて、ハグされて、、、キスされそうになったけど、してないぞ』
俊に意地悪な視線を向ける私。
俊は疲れているだろうに、笑顔であったり真剣な表情であったりして、誠心誠意、私に今日の詳細を話してくれる。
多くを語った俊は甘えるように私の左肩に頭を乗せて来た。右手は相変わらず私の左手に繋がっていた。