if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~

彼女の触れている腕の手をやんわり振りほどき、丁度、ウエイターが用意してくれたノンアルのカクテルを2つ手にすると『君のオリジナルカクテルおいしく頂くね』 そう言い残してその彼女の傍を離れると、湧きあがってくる嫌悪感を隠しきれず、俊は顔をしかめた。


『お待たせッ!どうぞ』
「わぁ、綺麗な色ですね、ありがとうございます」
『美味しいらしいよッ。ノンアルコールだから安心して』
「実は喉がカラカラだったんです」


彼女がその飲み物を受け取ると、ゆっくりと上品に口へ運ぶ
僕はその様子を見ながらさっきの若い娘が言った事を思い出す。


『本当は意外にこんな席は慣れてるよね?だけどこのパーティーには興味ない』
「ええッ?! そう見えます?」

彼女は僕の後ろ側を見ている
そして、なるほど、、っていうように頷いている
僕の後ろを振り返ると、先ほどの若い女性が睨むようにしてこっちを見ていた。

『バーカウンターでさ、誘われたんだけど。君がイイからって言って来ちゃったんだ~』
「えッ!  ちょっと~~何言ってくれてるんですか!」
『ダメだった?』
「ダメですよ。ほら見てください、、彼女らに睨まれてますから」


もう一度、後ろを振り返ると、若い女性3人がこちらを見ていた


『ははッ・・』
「笑いごとではないですよ。大きな声では言えないですけど、
今日は友人のピンチヒッターなんです。この場で面倒な事になったら・・」

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