if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~
僕の横でポロポロと涙をこぼして、ひっくひっくと声まで出して泣き出す彼女に慌てながら、久しぶりに僕が人に触れた気がしたんだ。彼女は泣いているのに、なぜか心地よくて。
『、、君は時間があるの?』
「付き合ってくれるの?」
僕の質問にそう返してくる彼女、だけど、何だか放っておけない何かがあったんだろうと思う。サンフランシスコまでの道のり、話をしながらってのもイイかなって思ってしまう。
『本当はね、ロスの国際空港から飛行機でサンフランシスコに日帰りする予定だったんだけど、・・一緒にドライブする?』
「いいの?」
涙を拭きながら彼女が僕を見て、そして笑顔になった。
『行はハイウェイで、帰りは飛行機にするけどイイ?』
日本から短期留学で来ていた彼女は、名前を”舞子”と言った
舞子はかなりの”おしゃべり”で、サンフランシスコまでの長い道のりを楽しいモノに変えてくれた。
当直明けだったから、居眠り運転が心配だったけど
舞子のおかけで目も頭も冴えていたから、混雑もなくスムーズに着きそうだった
舞子は、ドライブの最後には僕の事を ”俊センセイ”と呼ぶようになり
僕は”舞ちゃん”と呼ぶ仲に発展したんだ。
最初の印象とはちょっと代わって来て、舞子はちょっと大人ぶった女性だっていう事がわかったんだ。
サンフランシスコ近くに入るとゴールデンゲートブリッジが見えてきた
真っ赤な その橋は、サンフランシスコに入った感がかなりある。
全長2.7キロのその長い橋を渡って市街地に入った。
目的の場所はグラッドミンストーン医学研究所だったから観光で来たワケではないけど、一人でなく二人だと観光に来た気分を味わえるものだと思った。