if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~

ふ~~ッ・・まったく・・・
僕は昔から、恋愛っていうのを自ら始めようとはしなかった。
薫を除いては・・・

薫の笑顔が僕の頭の中いっぱいに思い出された。
薫と別れてから一年半が過ぎていた。あんなに愛おしくて、好きになった女性(ひと)はいなかった。だからこれからも先、あんな恋はもうしないだろう。


「ねぇ・・俊先生、何考えてるの?」

舞子にそう声をかけられ、ハッとした。

『いや、ちょっとね』

舞子は不審な顔をみせたが、それ以上何も聞かない。結局仕事が終わると舞子が僕を待っていて、僕たちは近くのレストランへ行く事になった。


「俊先生って、好きな人いるの?」
『えっ、突然にどうした?』
「だって、、、気になるじゃない。時々、ボーっとして考え事してるんだから」
『ああ、そうなんだ。自分ではそんなの気にならないからね』

舞子は、テーブルに両肘をつくとジッと僕を見つめてくる

「ねぇ、、やつぱり好きな人の事だったりして?」
『えっ、、うん、色々と秘密だね』
「恋の悩みじゃなさそうだし・・仕事の事でしょ?」

舞子は僕に自信ありげに笑顔だ。

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