if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~

実家の父から電話がたびたびあった。
舞子が大学を休学して、アメリカに行ったって大騒ぎしていたのが半年ほど前
何でも、交換留学で数ヶ月間の予定のようだった

父親の電話には出ない舞子に私から連絡をすると、”私は大丈夫だから、心配しないで”と舞子の元気そうな声に羨ましくも思った。
”舞子・・今、何処にいるの?
・・・カルファルニア・・ロスだよ・・
そう聞いたとき、彼の事を思い出した。
たしか、、俊もロスのメディカルセンターにいるって聞いていた。

子供の事を舞子に聞かれ、写真を送ってとせがまれた。
後日、お座りをして愛くるしい瞳を向け笑顔の優人の写真をメイルすると、舞子から「可愛いね、お姉ちゃんに似てる」ってメッセージと一緒にUCLAの新緑の中、自撮りの舞子の写真が送られてきた。
舞子の写真を見ながら、舞子の行動力が羨ましいのだと思ったんだった。




新しい職場、私の社会復帰の場所は住宅街の中にある内科のクリニックで、ここなら外来診療だけだから夜勤当直だってないし、時間ですんなり帰れるだろうという考えで選んだ。
小さな子供を持って働くっていう事が、どんなに女性の働く場所を狭くしているかを身をもって経験した。

大きな大学病院でしか働いた事のない私には、初めての経験だった。
それでも短時間で高額なお給料が戴けるのだから資格に感謝したし、きっと普通なら小さな子供を抱えて、一人で育てながら・・なんて経済的にも難しいのは理解できる。

優人は、保育園で初日こそは大泣きしたのに、それから徐々に私と朝に別れて、夕方に迎えに来るっていうパターンを理解してるのか、聞き分けの良いお利口な子供だった。

最近は 別れ際に 笑顔で手を降ってくれる
その笑顔がどんどん俊に似てくるのが・・私にはわかる。
きっと私は優人の笑顔を見るたびに、俊を思い出す



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