if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~

保育園から突然の電話があった。
優人がミルクを飲んでから、何度も吐いてしまうって・・
私は仕事をなんとか終わらせてから、急いで優人を迎えに保育園に急いだ。

ぐったりした優人を抱き寄せて、近くの小児科へ駆け込んで処置をしてもらったが、原因がはっきりしないからと、病院への紹介状をもらって友人の奈々子のいる大学病院の小児科に行った。

驚いた事に、その大学病院にはあの慶生大学で一緒だった木村優一君がいた。 何でも、循環器をめざしていたが、自分の子供が産まれて小児科医が少ない事に危機感を感じて、そっちの専門に興味を持ったらしい。
慶生では小児科で研修が積めないからって、この大学でアルバイトをしてるって事だった。

私の抱きかかえる子供を見て、木村君は子供の事に触れないでくれる。
結婚歴だって聞かないし、俊の後輩だけど、まさか俊にそれが伝わるはずもないと思った


「薫先生、お子さんはアレルギーかな?」
「アレルギー?」
「きっと 何かアレルゲンとなる食物を食べたんじゃないかな?」
「・・たとえば?」
「そうだなぁ~たとえば、卵や小麦なんか、検査してみないとわからないけど」
「そう・・採血するのね?」

私がそう恨めしそうに木村先生に言うと、悪そうにしながら彼が優人の可愛くて小さい腕に針を刺した

「ぎゃーーー」 大声で泣き叫ぶ優人
可哀想だけど、ママが代わってあげれたら、って親なら誰でも思うのだろう。

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