if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~
採血が終わって泣き止まない優人を私が抱っこしてあやす
その様子をみながら、木村君が呟いた
「血液検査の結果は後日になります。で、薫先生、なんか・・先輩に似てる」
「えッ?・・何?」
優人の泣き声で、木村君の呟いた言葉が聞き取れなかった
木村君に聞き直したのだけど、「いや、何でもないです」って 苦笑いをしてきた。
友人の奈々子から連絡があり、小児科まで迎えに来てくれた。
「優人君、かわいそうにねぇ~~」って奈々子は涙が溜まってウルウルしている優人を抱き上げると頬ずりをして抱きしめる。
「薫~、優人君、また大きくなったね」
「そうでしょ?、もうすぐ2歳よ」
「そうか、、夏生まれだったもんね、早いなぁ~」
奈々子には随分とお世話になった。職場はすでに違ったけれど、私の気持ちに寄り添ってくれて、唯一本当の気持ちを言わせてくれる友人だ。今日も、自宅まで車で送ってくれる。
そして翌週に検査の結果が出るって事で、また優人を連れて大学病院へ行った
木村先生がいるものだと思っていたのに、今日は違う小児科の先生だった。
だけど、私の事を木村先生から聞いているらしく
とっても丁寧に親切に説明してくれた。
「薫先生には、わかりやすく丁寧にお願いしますよって・・木村先生には頼まれていましてね」
そう言いながら笑顔を私に向ける。
そして、アレルギーに対しての対処の方法なんかを説明してくれた。