if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~
そんな僕たちの会話を聞いていた 研究チームの人達が言ったんだ
「Dr片瀬は、ずっと日本へ帰ってなかったから、暫く休暇を取ってゆっくりしてきて下さい」と。
『いや、そんなワケには・・』
「はいッ! そーですよね!ねぇ、俊先生!」
舞子のほぼ強引な受け答えで、僕は長期の休暇を学会後からもらってしまった。いつもながら舞子には調子を狂わせられる
まぁ、田舎にも帰れるし、いいか
そんな風に思ったけど、僕は考えないようにしながらずっと薫の事が頭から離れないでいた。
舞子をみれば、薫を思い出してしまうから 始末におえない
トランクを引きながら、アメリカに旅だった日の事を思い出していた。
確か、日本で使っていた携帯電話がトランクの中にあったはずだ
電話会社との契約もそのままの状態にしてて。
あの日飛行機の中で、最後に薫と話してそのまま電源を落として
使う事もないだろうと、そのままトランクのポケットにしまったはずだった
あのスマホ、充電すれば使えるんだろうか?
日本で築いた友人関係、お世話になった人達のデータはあの携帯の中にある。
エクスプレスの電車を利用して都内まで行った
久しぶりの東京に、なぜかドキドキしてしまう
僕をドキドキさせるモノがある 東京。
都内に着く頃は、すでに陽も落ちていてホテル前のイルミネーションが輝いていた。
チェックインを済ませて部屋へ案内され、シャワーを使おうとトランクから必要なモノを探し出していた。
ポケットには・・”スマホ”があった。