if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~
『はいはい、ごめんよ。で・・どうしたの?』
「うふッ、東京行きのチケットが手に入ったの。あのね、明日の夕方にこっちを発って明後日の午前中には私も日本よッ!」
『あははッそうか、良かったね。・・あ~でも、僕はその時は学会の真っ最中だから、残念だけど、空港まで迎えに行けないよ』
「うん、わかってる。大丈夫よ。家族に迎えをお願いするから・・」
『そうか、そうだね。それじゃあ、落ち着いてから東京で会おう』
「うん、すぐにでも会いたいけど・・仕方ないわッ 俊先生、寂しくない?」
『えっ?誰が?・・誰が寂しいって?』
「俊先生が、私の顔見れなくて 寂しがってるんじゃないかなぁ~ッテネ?!」
『あははッ舞ちゃん、君には参るよ』
舞子からの電話で完全に目が覚めてしまった僕は、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して、冬の暖房でカラカラに乾いた喉に流し込む。
”何時だろう?”テーブルの上に置いた時計を手に取って見た
”どれだけ寝たんだろう” もう夜の21時を過ぎていた
そう言えば 飛行機の中で軽食を食べただけで 何も口にしていない
少しだけ空腹な状態だった。ルームサービスも考えたけど、久しぶりの東京の街に出てみたいと思った。
学会の会場に便利なようにと、そこまでは歩いても10分もかからない場所にホテルを選んだ。ここは昔、良く来ていた場所だから、そんなに変わっていなければ 何処に何があって・・なんていうのはわかる。
ホテルの部屋を出ると、エレベーターに乗り込んだ。ドアの外側にかけられていた夕刊をひろげて、それこそ久しぶりの日本の新聞をみる
チン♪