if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~
『知ってるよ。薫にはご主人がいるって事もね』
「ご主人って、、知ってるんだ? そうなんだ」
『うん、別れた2年前にすでに知ってた。最後に会ったときに薫が言ったんだ。その時、彼女が妊娠しててね』
「そうだね、お姉ちゃんが、そう言ったのね?」
『ああ、だから、僕はその後アメリカに行くことを選んだんだ』
「でもお姉ちゃんとはもう、過去の事でしょ?! 俊先生ったら、だから傷心な顔してるのね~?! 私は気にしないわ!」
『舞ちゃん、違うんだよ。あのさ』
そう言いかけた時、舞子が驚きの顔をしたからその視線の方に目を向けた。薫が僕と舞子に気づいてこちらを見ていた。
”僕のところへ来てくれたんだ!”
僕は直ぐさま、舞子に ”ちょっと待ってて” そう言うと薫のいる場所に急いで行った。
『薫』
薫が僕の方に目をやると、最初は笑顔で僕を見て微笑んだ。僕の後ろに近づいてくる舞子に薫は戸惑いの表情を浮かべた。
「・・・舞子?」
薫の舞子の名前を呼ぶ姿に、僕はうしろを振り返ると舞子がそばに来ていた。
『あのほらッ・・言っただろ? 舞ちゃんとはあっちで偶然に知り合ったって』
「ええ・・」
薫が僕にそう返事した。
後ろから来た舞子は僕の腕に自分の腕を回しながら密着してきた。
そして薫に笑顔をむける。
「お姉ちゃん、どうしたの? 何で俊先生の宿泊ホテルに?」
薫は舞子の質問に返事ができず、すかさず僕が答える
『ああ、今日は僕が薫に用事があって来てもらったんだよ』
舞子は僕のその答えを聞くなり、薫に強い口調で言った
「子供は? それに旦那様は放っておいてイイの? 普通じゃないわよ、変な誤解されちゃうでしょ?」