if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~
荷物を部屋に置いてから 階下のリビングに顔を出すと継母がお茶を入れてくれた
「薫さん、丁度 紅茶を入れたところよ。どうぞ」
「ありがとうございます」
「夕食はまだですか?」
「ああ、大丈夫です」
義母がアッと何かを思い出したように手を叩く
「ん?」
「あの、先ほどの男性とお食事だったんじゃないかと思って」
「えッ? 違いますよ。彼は、、その、初めてお会いした方で」
「薫さん、そんな方いらしたんですね!」
義母の表情がパッと明るくなる。これは、何かを誤解している様子なのだけど。
あまり詳しく話すつもりもないし、本当にただ送って来て貰っただけだから。
早めに話題を変えた方がいいだろう。
「あの舞子は?」
「ああ・・あの子、今日はいなくて」
「いない?・・・父が倒れたのに?」
「実は、連絡が取れないんです。あの子最近、反抗期みたいで」
義母が言いにくそうに 歯切れの悪い言葉で伝えてくる
「舞子どこに行ってるんでしょう、ちょっと私が連絡してみます」