if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~

優人が産まれてからは、実家でしばらくお世話になってとても感謝している。私ひとりでは どうにもならない事があっただろう。
6ヶ月を過ぎて優人との二人だけの暮らしになるときは、義母も父も猛反対したけど、それでも私の気持ちをわかってもらった。
その頃、気になったのは舞子の事だった。
舞子は私が実家に戻ってから家に帰る事が少なくなったし、きっとそれは私のせいだろう。
そして、いつの間にか日本の大学を休学してアメリカの大学に留学してしまう。
誰にも相談すること無く、、舞子も以前の私と同じで孤独だったのかもしれない。

アメリカで俊に出会って、そして彼を好きになったんだろう。
それも運命だって思う。
舞子は私の身の上を知っていながら俊の前で私に言った。
「俊先生ってお姉ちゃんの彼氏だったんだってね、でも、昔の事でしょ?今では私が俊先生を好きなの。お姉ちゃんは子供も、今は愛する人もいるのに、俊先生を誘惑しないでよ」

舞子が私へ向けた目は、愛する人を守るための厳しい目だった

俊に会うのが怖かった。彼を守るために、私の気持ちは捨てなくちゃいけないはず。なのに、彼を愛してるっていう自分の気持ちが抑えられない。
私がついた嘘に彼が誤解してるそんな状況で、やっと俊のそばから逃れる事が出来ていた。彼のせつなそうな顔を見るたび、胸が張り裂けそうだし、私も彼の傍を離れたくない。
ずっと、彼のそばで寄り添っていたい。そんな気持ちを押し込めながら、
俊が私を求めてくれるのは 今だけ・・今だけだから、、そう思うように自分自身に言い聞かせた。


偶然に再会した俊のお母様が、大事そうに優人を抱っこしてくれて、そしてお見通しと言わんばかりに言った言葉
”この子の父親は俊ちゃんでしょ?!” 驚きと同時に安堵した私がいた。
”こんなに俊ちゃんにそっくりなのに、この子の寝顔なんて俊ちゃんの小さい時そのモノなのに、、間違いないわよ”

お母様の言葉が、まるで魔法のように私の心を納得させてくれた。
”一番大事な人はわかるでしょ? 離しちゃダメなのよ” って。


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