if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~
家族揃っての初めてのクリスマス。
優人がクリスマスケーキに夢中になり、それを嬉しそうに食べさせる母さん。
そんな母さんをみて、父さんは「そんなに食べさせたらお腹をこわす」って口喧嘩になってしまう。
それを笑いながら眺めてる僕と薫。
片付けが終わってから、優人を部屋に連れて行こうと声をかける
『母さん、ありがとう、優人もぐっすりだし部屋に行くよッ』
抱っこされながらぐっすり眠る優人を僕が受け取ろうとして母さんの顔を見るとニヤリと口角をあげる。
『何? その変な微笑みは?』
「ねぇ、、あなたたち、結婚式はいつあげるの?」
『えッ?、、結婚式か』
そう答えながら薫の顔をみると互いの視線が合わさる。
「ル・アンジェ教会の牧師さまがね、一度来なさいって。今夜は25日だし丁度今頃はミサの最中よ。それにその後にゴスペルコンサートもあるんだって、そうそう本当はこの家に泊まるのは明日からだろうって思ってね、優人ちゃんに福岡の綺麗な夜景を見せようって思って、ホテルまで予約してるのよねぇ、、私」
『母さん、、』
「あら!暇があれば、薫ちゃんのそばに引っ付きたいでしょ?」
『えッ? まぁ、そうだけど』
「あらあら俊ちゃん、素直ねぇ~ 優人ちゃんは私とお父さんが責任持ってみてるから、あなたたち出かけちゃいなさいよ」
「でも、お母様に優人を見てて頂くなんて」
申し訳なさそうな表情の薫に『そうさせてもらおう、ね?』と半ば彼女の意見なんて聞かずに、引っ張るように出かけた。それでも戸惑う薫に、安心させるように声をかける。
『薫、優人なら大丈夫だよ。おじいちゃんにおばあちゃんが面倒みてるんだから』
「でもね、申し訳ないわ」
『子育てのプロだし僕の親だよ。それに両親から僕たちへのクリスマスプレゼントなんだと思うよ』
薫が僕をみて頷くと僕は言った
『今夜は昔みたいにふたりだけで楽しもう』