if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~

大学病院へ着くと、同期の大月から主任教授のところに
連れていかれた。


参ったな、所詮、僕らは大きな組織の一員にすぎない。いい加減に振り回すのは
勘弁してほしいが、一方で、自分に突然に降って来た話の状況に期待してしまう
自分がいた。
”コレで自由に研究も手術も出来る環境が手に入りそう” だからだ


「片瀬君には大学病院へ戻ってもらう。勿論君の将来は約束するよ。
但し、君が今、市中病院で行ってる心カテ法を今後この大学病院だけで
行う事、そのためには 君のチームを作らせよう。
最高のスタッフを揃えて、そして私をこの慶生大学学長になるのを
手助けしてもらうよ」

『教授、僕では、そのような事は出来ません』

教授は、僕の返事に眉根をよせる、そして訝しげな表情になると言った

「君の医師としての技術や研究を調べさせて貰ったよ。
一般の市中病院でくすぶらせるには惜しい。是非、大学で発揮すべきだ」

『それでも、なぜ僕なのですか? 大学には大月もいます』

教授は僕の言葉を聞くと、しかめっ面をして言う

「大月君ではダメなんだ・・
彼では話にならん。心カテで勝負できる人物でないと」


『勝負?どういう事ですか?』

教授は大きく立派な机の上に両肘を着き、手を組みおぞましい微笑みをみせた。
「実は・・・」

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