if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~

現学長が病気で休職中の間に自分が学長選に挑むつもりだと言う。

そのために、僕の心臓カテーテル技術が必要らしい。なんでも、他部門のライバル教授には決め手がないらしい。
そして僕にとっては、教授を応援するメリットが研修の予算と研究に没頭できる
環境らしい。いずれは教授の席も用意すると言われた。

いやいやいや、地位が欲しいわけじゃない。金だってあって困るものじゃないけど、そんなに欲だすつもりはない。
だいたい、僕がこの慶生大学から出されたのは専任講師として研究していた2年前だ。上司である当時の教授を怒らせてしまい医局を出されたんだ。
それでも臨床にも興味があったし、市中病院への出向は問題ではなかった。反対に臨床で技術の腕をあげたぐらいだったから感謝もんだ。
なのに、また研究できるって聞いて、頭の中がモヤモヤする。即答はできないし、だけど、返事がNOだと二度と医局へは戻れない。

学長選で、僕の成果が武器になると聞いて微妙な気持ちになるから、はっきりとは答えが出ない。
自分の将来に、気になった女性が絡んでくるだなんて、この時は考えも及ばなかった。





< 33 / 246 >

この作品をシェア

pagetop