if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~

弱った身体を起こそうとして
そんなわずかな事もままならない今の父は小さく息を吐いた。

「どうしてもというのなら、客員という形でもいい。
私がいない状況だから、それでも私には責任がある。助けてくれ・・」

こんな状態で私にそう言って来た父の目的は
後で知ることになるが、この時は、父の言葉の意味もわからず
”考えさせて”とだけ言っていた。


薫はいろいろな事が起きすぎて、眠ろうにも眠れない
実家の幼い頃から使用していた部屋で、瞳だけ閉じていた。


< 35 / 246 >

この作品をシェア

pagetop