if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~
冗談で終わりそうにない話に、これは退散するのがベストだとさりげなくその場を後にした。大学病院での仕事が始まるまでに、この病棟のスタッフにはお菓子でも持って挨拶に行かせてもらおう。
そんな風に思ってお店を出て、ホテルの出口に向かおうとしてエレベーターを
待っていると、後ろから聞こえてくる声に顔をしかめてしまう。
「大丈夫ですから、、もう離してください」
「いや、大丈夫じゃないでしょ。ほらお部屋まで行きましょう」
「私、一人で行けます、アッ、、やめてください!」
ここはそれなりの客しか来ない場であるけど、嫌がる女性にしつこく迫る
男性に呆れた。 でその女性をチラッと見て、僕は二度見をしてしまう。
彼女だ!! 間違いない
かなり酔っていて、頬が紅潮しているけど。
僕が待っているエレベーターホールに二人がやってきた。
「部屋は何階?」
彼女と一緒にいる男が聞いている。彼女はその声に応えず、沈黙したままだ。
その男は小さく舌打ちすると、さらに彼女に迫る。
「部屋のカードキー、よこして!」
「あっ、やめて下さい!」
彼女は奪われようとしたバックを引っ張り戻すと、その男性をキッと睨みつけて湧きあがってくる嫌悪感を隠しきれない、薫は顔をしかめる