if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~

彼女のプライベートだけど我慢できなくなっていた。後ろを振り向くと、すかさず彼女の腕を引っ張り俊の胸の中にスッポリと包みこんで、目の前で驚くその男に鋭い視線を向けた。

『君は誰? 薫の何?』

俊のその言い方に、薫と一緒にいた男は怯み目を剥いて固まった。
俊の胸の中におさまる薫は、ポカンとして俊の顔を見上げている。

「お前こそ、な、なんなんだよ!」
『知り合いではなさそうだな。警察でも呼ぶ?』

僕を見つめて呆気にとられている薫にむかってそう話すと、彼女の返事より先に
その男は丁度来たエレベーターにすかさず乗ると、さっさと階下に降りて行った。

薫は僕を見て不思議そうな顔をしてくる。
まさか、その反応は僕の事もう忘れてる?

『僕の事、覚えてる?』

俊にそんな風に言われて息を呑む。自分が彼の腕の中におさまっている事に
我に返り、慌てて離れようとする。

「ごめんなさい、、それに覚えています」

恥ずかしそうにする薫に俊は笑顔を向けるのだが、彼の端正な顔に見とれそうになって、ハッとした。

『良かった。それにしても、関心しないな。彼のような男と酒を飲むなんて』
「えッ 一緒になんて飲んでいません! 一人で飲んでいたんですが
あの男性(ひと)がしつこくて、それで、、」

薫は辟易としていたようで、それ以上を言うまいと
するように、顔を俯かせる。

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