if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~
抱き上げた薫から甘い香りがして 彼女を見下ろす
「ごめんなさい、ご迷惑かけて」
『大丈夫だから』
部屋に入って、左手にクローゼットとバスルーム、5メートルほど歩くと前方に
都会の夜景が広がっていた。右手にはミニサイズのダイニングテーブルと
ミニバーのコーナー、左手には重厚感のあるセミダブルサイズの
ベットが2つあった。
一人で宿泊するには、少しだけ贅沢なような。・・て言うか、一人なのに
ツインを予約するか? 僕はゆっくりと薫をベットに降ろした
「ありがとうございます」
妖艶な微笑みで僕の心をグッと鷲づかみにしてくる。僕はそんな薫に、
背を向けて冷蔵庫にあるミネラルウォーターを差し出す。
『水、飲んで』
薫はボトルを受け取ると、水を少しだけ口に含み喉に流し込んだ。
そして、僕を見ると言って来た
「飲みすぎちゃったかな。はぁ~」
『まだまだ、話したいけど、今夜も早々にお別れだね』
隙だらけの薫に僕は苦笑いをしながらそう言うと
「ああ・・はい」と薫は僕を見ながら言って来た。