if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~
医者の不養生って良く言うけど、仕事が忙しくなれば、自分の身体までかまっていられない。たまには美味しくてあたたかいモノが食べたいけど、今は無理だろうから、もう少ししたらッて自分に言い聞かせる。そんな風にしているから、食事がコーヒーになってしまうなんて事が多々あった。
大学に来てから、数日が過ぎた。最初は、ぎこちない態度だった薫も時間が経つにつれ自然に仕事で共有できることが多くなった。今のところ、坂上教授から、何か仕掛けられる事もない。
大体、薫に指導もせず放置なんて出来るはずがない。通常の指導をするまでだ。
薫が医局を出てから、暫く画像診断をしていたけど、
僕はいつの間にか机に伏して眠ってしまった。
どれぐらい経ったのか、何だか夢の中で美味しいニオイがしてくる
う~~~んイイ匂いだ。片方の目をかすかに開けて周りを確認した
僕の机の上に、正確に言うと伏して寝ていた顔の横に、匂いを発する包み紙が
見えた。これが”美味しいニオイ”の正体なんだろう
両目を開けて見たら、帰ったはずの隣の薫が
椅子に腰掛けて本を読んでいた。
『あれ、帰ったんじゃ』
そんな声に彼女は本から僕のほうへ視線を移して、にっこり笑顔で言った
「起きました? コンビニのお弁当なんですけど、それから院内の薬局が開いて
ないので、コンビニの内服液なんですけど意外に効果があるんですよ。
私もコレでスッキリした事があるんで・・どうぞ」
そう言うと 薫がコンビニで購入した胃がスッキリする内服液を渡してくれる。