if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~

「今回のパーティーの企画がね、医師や弁護士とか会社の社長だとか
そんな職業的にはハイクラスの人ばかりを集めてるらしいのよ。
でね、、私がサクラでもして彼の企画を何としても成功させたいの」

奈々子の彼の頼みが、彼女に自分の仕事の手伝いをさせること?
彼女が眉毛を下げながら申し訳なさそうな顔になる。

「でも、何で彼女の奈々子にそんな仕事させるか、、私には理解できないわ」
そう奈々子に言うと、彼女は泣きそうな顔になる。

「彼がね、お願いしたんじゃないの。私が協力したいって言ったの!
だから、彼の事そんな風に言わないで! それに私も医者でしょ。
相手に話を合わせて気分よくしてもらう事ができるって、、」

奈々子は大学に入ってからの友人だが、一重瞼の目元に細く通った
鼻筋の涼しげな美人、耳まで出したベリーショートの髪
一七〇センチを超す身長とスタイルの良さはモデル並みの女医だ。
性格は勝気でちょっと男勝り、そんな奈々子がサクラのバイトなんて
交際中の彼の事が本当に好きなんだろう。
そんな風な顔されたら、私は協力しなくちゃって思わされてしまうじゃない

だけど、このパーティーでの出会いがこれからの私の人生を変える事になるとは想像もしていなかった。

”それでは皆さま、まもなく運命のお相手とのご対面ですから
準備はよろしいですか~?”

企画スタッフの声に振り返ると一斉に色々なカラーのドレスを纏った女性たちは別室会場にむかうために出口へと集まる。
どう見ても、まだまだ若い20代前半の美人揃いの集団に、アラサーで年上の私が此処にいることが申し訳ない気がしてくる。

奈々子の話では、歳なんて嘘ついちゃえばいいのよ。なんて軽く言ってたけど、私は誤魔化せる気がしない。少しの時間の参加でかまわないって聞いてるからさっさと帰らなきゃ。 そう思っていた時、誰かが私の肩を軽く叩いてきた。

トントン

「こんばんは」

振り返った私の顔を見て その女性はとってもチャーミングな笑顔を向けた
知り合いではなさそうだし、何だろう?

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