if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~
大月は俊が大学病院へ戻ってからの動向が気になっていた。
相変わらず後輩や仲間達からの人気があるのは予想していたが、主任教授の坂上が僕を呼んで 片瀬の名前を口に出したときは驚いた。どんな人物なのか興味があると言う
大澤学長が倒れて、坂上教授は次期学長を狙っている
それは 僕にとってもプラスに働くだろう
僕は坂上教授の下で准教授として働いて、彼のやり方はわかっていた。それに坂上教授の娘の綾子は僕の恋人だ。今はまだ確かな事を教授に伝えたわけではないが、時期が来れば坂上教授に綾子との事をはっきり認めてもらう。
片瀬、アイツさえ変な行動をしなければ、僕は黙っていても次期教授なんだ。
それにしても、現学長の娘までウチの大学に来るとは計算外だった
綾子がいなかったら、あんな美人を妻にしたいぐらいだ。
何だか、片瀬と薫は知り合いだったような感じだが、ふたりとも初めて出会ったような顔をしてた。まぁ今のところ僕には何の関係もないからいいが、いざとなれば考えを変えなければ。
学長が戻ってくるだなんて噂もあるぐらいだからな。
「ねぇ直也さん、何を考えているの?」
僕の横で眠っていたと思っていた綾子が、僕に突然に声をかけてきた。
『うん?君の事』
「ほんと?嬉しいわぁ~ッ」
綾子が僕の胸に頬を寄せてくる。打算的な僕は綾子を抱きながら、そう返事をする。綾子にも他の誰にも僕の離婚歴なんか知れていないし、綾子との結婚を急いだほうが得策なのではないかと考えているところだ。
誰にも邪魔はさせない。僕は教授になってみせる。