if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~

咎めるように私に気持ちを聞いてくる彼に声に出しては言っていないけど
その言葉は本気なの?

彼の胸に身体を寄せて、強くて速い心臓の音を聴いていると私と同じ気持ちなの
かもと思ってしまう。
私を見つめる彼の匂い立つような男の色気に息をのんだ。
手の平から全身に伝わるぬくもりを感じながら、こくりと喉を鳴らし、思い切って彼の背中に腕を回した。


今、私の心臓は異常な速さで早鐘を打つ。
そして、震える声を抑えながらやっと言えることが出来た。

「・・・ねぇ・・キスして」

私を抱きしめる腕を緩めて 彼が瞳をみつめてきた。
”聞き間違いか?”って顔してる

「お願いキスして・・・」

眉を寄せて少し困ったような表情の彼の吐息がゆっくりと近づく。
熱い唇を重ね、最初は優しくお互いを受け止めるような軽いキスをした。

呼吸が出来なくて苦しくなる私の声が漏れてしまう。
「…ん…」
『薫、口開いて』

そう彼が要求すると同時に、少しだけ開いた私の唇をノックする甘い要求に応えると私の舌を絡めとる。激しくて甘いそのキスに私をトロトロに蕩けさせ鼓動が高鳴っていく。

彼の手は私の髪を撫でて、徐々にうなじから背中そして腰へと移動する。
まだバスロープの分厚い生地を通してでしか、彼の手の熱さを感じられない。

互いの唇の感触を堪能しながら、彼が私の身体に覆い被さると重ねた唇を離して、
もう一度私の瞳をみつめてきた。どうしたのだろうかと狼狽してしまう私に彼の
細められた目、そして唇を弓なりにさせて甘く囁く。

『好きだよ』

「・・・私も、あなたが好き」

嬉しくて、そう言ってしまうと、もう迷いはなかった。
彼のすべてを感じたい、そう思った。

私の頬に当てられた大きな手はゆっくりと指をすべらせ 顎に触れると
唇が落とされ幾度も角度を変えながら啄む

ゆっくりと離れていく唇を薄く開いた目で追っていると彼の眼差しは緊張と期待を孕んでいる。私の頬は熱を帯びて真っ赤に染まっているだろう。
私の額に額を合わせる彼は、優しい声色で私の名を呼ぶ
かすかにベッドがきしみ、彼はふっと笑んだ。ぞくりと肌が粟立つほどに色っぽい表情だ

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