if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~

私はきっと、すでに恋をしていた。だぶん、俊に初めて出会った日に
同僚になってからは、気づかないふりをしていたんだ。
ただの同僚にすぎないと。

俊の近くにいることで、仕事への真剣さや真摯な態度に驚かされ、治療の技術
には魅了された。外見の良さもあって、俊がみんなに好意を寄せられるのも
理解できるようになった。

新しい事を発見すると、俊を意識している自分にも動揺した。
だって、そんな男性は今までにいなかったから。
恋に慣れていない私だったから、どうすれば良いのかわからない

真夜中のドライブデートはドキドキしないわけがなかった。仕事での共通
な話題、彼の軽快な話はとっても楽しい。時々見せてくる笑顔に心が躍った。

心地良くて眠れなかった私が熟睡したかもしれない
俊の体調も心配だったけど、一緒にホテルに行くという事が 
どういう事なのか私でもわかる。


俊となら大丈夫だと思う自分がいた。だけど、その時が来そうになれば、
気持ちが揺らぐ。 同僚で、短期間の関係。
まして、ベットの上での会話に俊の本心はわからない


愛があるから関係を持つことになるなんて、そんなの男性には違う事ぐらい
理解してる。
俊の甘い言葉に酔わされ、瞳をみてこの瞬間だけかもしれない。
それが ”大人のルール”だって。


彼の優しいキスが私の身体に落とされる。官能的な掠れた俊の声が耳元に届くと

『イイ、、僕を感じて』


心の琴線に触れる言葉たちと、
素肌をなぞられるだけでゾクゾクするような、甘いタッチ

私をベットに組み敷き、余裕のない表情で揺さぶる愛しい姿
私は恍惚としてそれを受け入れた。


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