if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~
「片瀬先生~!聞きましたよ、これからカメラですって」
『長嶋先生? でしたっけ?』
「はい、そうです。覚えてくれてたんですね~ 嬉しいわ!」
消化器内科の女医で美人だと有名な長嶋先生が、俊の腕を掴む。彼女は膝丈
ほどのドクターコート(白衣)の下にライトブルーのミニ丈ワンピースを纏い、
愛くるしい笑顔で微笑んだ。
『・・・カメラは確か、吉田准教授がって聞いてるけど』
「ええ、そうですよ。でも私も一緒です!行きましょ」
そう言った長嶋先生は、俊の腕を引っ張り腕を絡ませると
自身の豊満な胸に引き寄せる。そして、私に向けて胡散臭い笑顔で言った。
「ごめんなさいね~」
歩いていく俊と長嶋先生の後姿を眺めながら
睨んでしまう自分がいた。
動き出した感情にブレーキが効かない。
カルテを見ながらサマリーを書かなくちゃダメなのに
思考回路は止まったままだ