if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~

目を凝らして薫の表情を読み取ろうとする。そんなに視力は悪い方じゃないから、もう少しだけ近づけば確実に表情が確認できる。何人かの男性が彼女に近づこうとする、明らかに遠慮しますってオーラ出まくりで、見てるだけで面白かった。

あはッどう見ても 彼女は参加してないよな?また、どうしてこんなところに彼女のような女性がいるのか、無理に連れてこられた?誰に? 僕はそんな事を考えながら彼女をみていたら、その彼女と一瞬目が合った

えッま・・まずい

目が合って 俊はスッと目を逸らす。
俊にとって女性とは、こちらが意識しなくても寄ってくる存在だった。
さっきから、チラチラと周りの女性からの視線も感じている。
また、面倒くさい状態になるのも考え物だ。せっかく気になる子を見つけたのだから、何か良いリアクションして楽しもうと考えた。
歩いている間、何度かチラチラと目を向けてくる彼女に、狙いを定めたように
ゆっくりと足を向ける。
途中、ウエイターの持っていたシャンパンを一つだけ貰って。

『こんばんは』
「アッ・・こ・・こんばんは」


シャンパングラスを掲げるように持ち上げ、爽やかな笑顔と首を少しだけ傾かせて挨拶をする。僕の声かけで 明らかに緊張し視線が落ち着かない感じだ。

近くで見たら・・なかなかの美人だ
そうそう、、せっかく来たんだからこんな出会いがなくちゃ


『少しだけお話しませんか?』
「え・・」

僕は手に持つ琥珀色(こはくいろ)のシャンパンを彼女の手に渡そうとすると、彼女はとっても分かり易く曖昧に笑う。

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