if...運命の恋~エリート循環器医は彼女を手放せない~

とっても優しそうな上品なご婦人が、私にそう話しかけてきた

「こんなに濡れて、お迎え待ちですか?」
「あっ・・はい」

「そう、まったく最近の殿方は、女性が大事な子供を授かったとしても
一緒に外来に来ずに、送迎だけするなんて、嘆かわしい。
旦那さまが此処にいらしたら、ちゃんとおしゃるのよッ!
私をこんな冷たい思いをさせて何とも思わないの?って・・ネ?」

「あはッ 」


ご婦人は、完全に誤解しているらしくどうやら私は妊婦で、旦那様を待って
いるらしく、でもわざわざ訂正する程でもないし。

苦笑いだけをしてお相手をしていた
でもそこに彼が、、彼の車が見えた


「あのね、まずは妊娠されたばかりの頃は、ちゃんと旦那様の教育も
必要ですのよ。まず、最初にね・・」

彼が私をみつけたみたいで、玄関の目の前に車を停めると
助手席の窓がスーッと下がると、彼が私に言ってきた

『薫?乗って』
「あっ・・それじゃ・・」

お話途中のご婦人に挨拶をして車に乗ろうとした
その時、そのご婦人がとんでもない事を言い始めた


「ちょっとご主人! 貴方、奥様をこんなにびしょ濡れにさせて
何とも思わないのかしら?」

『へ?・・・あッ・・・何?』


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