御曹司の溺愛から逃げられません
私は早速フォークを手に取ると早速ひと口、口へ運んだ。

ん〜〜、美味しい。

甘すぎず意外とあっさりしている。
和栗の風味が鼻から抜け、食感の残る栗と中のクリームと混ざり合うとなんとも言えず美味しい。ベースにサクサクとしたサブレがあり、上のクリームと一緒に食べると口の中で香ばしさが加わり風味が変わる。どれも絶妙なバランスで味わい深い。
ネットでの好評通りの味で感動すら覚えた。
無言でパクパクと食べ進めるとあっという間に1つペロリと食べ終わってしまった。
賞味期限15分と書いてあったというのもあるが、そんなにかからず食べ終えてしまうほどあっさりとしていた。
最後に紅茶を飲んでハッとした。
パッと顔を上げると私の顔をニコニコした笑顔で見つめる人がいた。

「す、すみません」

「いや、とても美味しそうに食べていて俺までそそられたよ。それにしても本当に美味しいな。甘すぎず、俺でもペロリと食べられたよ」

「そうですよね!」

私は身を乗り出す様に話しかけた。

「この和栗の渋みといい、クリームの上品な甘さ、そこに加わる塩気の少しあるサブレ。絶妙なハーモニーですよね」

私はうっとりする様に話し始めると課長は楽しそうに聞いてくれた。

「柴山のいう通りだな」

笑いながら紅茶を飲む姿はどこか優雅で思わず見入ってしまった。
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