御曹司の溺愛から逃げられません
「あぁ、美味しかったな。さて、この後の予定は?」

課長の顔を見ていたら話を振られ、ハッと我にかえった。

「あ、ええっと……。そう、この後は焼き菓子のお店とパン屋さんを回る予定です」

「そうか。なら出ようか。外で並んでいる人も見えることだし長居しては申し訳ないからな」

窓の外から並ぶ人が見えていた。平日なのにやはり人気なのだろう。

「そうですね」

私も最後に紅茶を口にすると立ち上がった。
お会計に行くと課長が払おうとするので私が昨日のお礼と言い払わせてもらった。

「ごちそうさま」

課長に微笑まれながらお礼を言われるとドキドキしてしまう。
昨日から私の胸は騒々しい。
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