御曹司の溺愛から逃げられません
目が合うと惹かれ合うように唇を重ねた。

「香澄。言いたくないのなら無理には聞かない。けど、俺は香澄の味方だからな。支えたいと思ってるってことは忘れないで欲しい」

そう言うとまた後ろからぎゅっと抱きしめられた。
この手の中に閉じ込められていると安心する。でも私のこんな情けない姿を見せなくない。
手をぎゅっと握りしめ、涙がこぼれそうになるのをぐっと我慢した。

「ありがとう」

小さな声でそう伝えると背中から頷くのを感じた。

お風呂から出ると彼は髪の毛を乾かしてくれ、お茶まで入れてくれ私を甘やかしてくれる。
ベッドに入っても私の頭を撫で、おでこにキスをすると抱きしめられたまま眠った。
身体を求め合うだけでなく、寄り添ってくれる彼の優しさに胸が締め付けられた。
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