御曹司の溺愛から逃げられません
翌朝、目が覚めると彼がキッチンで目玉焼きを作っていた。

「お、起きたか? 顔を洗っておいで」

「あ、うん」

私は起き上がると彼は笑顔で鼻歌まで聞こえてきた。
戻ってくるとチーズトーストと目玉焼き、コーヒーが置かれていた。

「ありがとう」

「いや。俺が仕事の日は香澄がしてくれただろ。俺だってこのくらいは出来るんだよ」

「嬉しい」

彼と並んで座ると手を合わせ、食べ始めた。
私は今日この後仕事。彼は休みで、またすれ違いが始まる。
昨日も遅くなってしまいあまり話せなかった。

寂しい。

ふとコーヒーを飲む手が止まった。
すると気がついた瑛太さんが私の顔を覗き込んだ。

「どうした?」

「うん……今日仕事だから、次はいつ会えるのかなと思って」

すると彼は私の肩を抱き寄せた。

「香澄の家で待ってていいならここにいる。ちょっとパソコン取りに家に帰るが、香澄の帰りを待っているよ」

「本当? また夜も会える?」

「ああ。そうしないか? 夕飯も作っておくよ」

彼が家で待っていてくれると思うだけで力が出てきた。

「早く頑張って帰ってくる! だから一緒にご飯作りましょ」

笑顔で伝えると彼も笑いながら頷いてくれた。
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