御曹司の溺愛から逃げられません
そのままソファに押し倒され、彼は口付けをしてきた。
最初は触れるだけの優しいものだったが徐々に深くなり、貪るように口の中へ彼の舌が入ってきた。
やがて首筋へと下りてきて、私は彼の頭の匂いを嗅いだ。
懐かしいセット剤の匂いに胸が熱くなった。彼とこうしてまた触れ合えるなんて、と思うだけで胸の奥が苦しくなる。

「香澄……」

彼の情欲を帯びた声にビクッと反応してしまう。
あっという間に背中に手を回し、ワンピースのファスナーを下ろされてしまう。
その間に自分のネクタイを緩め、ワイシャツを脱ぎ捨てていた。
もどかしいほどに彼も私を求めている事がわかり嬉しくて涙がこぼれ落ちてきた。
彼は私を抱き上げると奥の寝室へと連れて行き、ベッドへ降ろされるとすぐにまたキスが再開した。
彼の肌と触れ合い、お腹の奥が疼き始める。

「瑛太さん」

私も彼の肌に唇を落とした。
ビクッとしていたが、ますます私を求める彼の腕の中で私は幸せに満ち溢れていた。
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