目の前の幸せから逃げないで
5

光毅は どうして 私を 求めたのだろう。

今まで、私に 好意があるようには 見えなかったけど。


体が 弱っている時に 優しくされて

感謝と恋を 勘違いしているの?


それとも、私なら 簡単に エッチできると 思った?

情熱が迸るような 激しいキスに 引き込まれていく私。

光毅の若さが 私の心を 狂わせる。


このまま全てを 光毅に与えてたい思いと 

私は 必死に 戦っていたけれど。


ようやく 私を離した 光毅は、

照れたような 甘えるような目で 私を見る。


お願いだから。

そんな目で 見ないで。

光毅を 愛しいと 思ってしまう私を 止めて。


「ちゃんと ベッドで 寝た方がいいわ。」

何とか 光毅と 離れようとする私に

「じゃ、由紀乃さんも 一緒に来て。俺が 眠るまで 側にいて。」

逆に、光毅に 誘う隙を 与えてしまった私。

「ハタ君…?」

「どうして 名前で 呼んでくれないの?」

「フフッ。コラ、みつき。一人で 寝なさい。」

「由紀乃さん…」

光毅は 私に 抱き付いた。

光毅の背中を 撫でていると 愛しさが 込み上げてくる。

私は もう どうなってもいいと 思い始めていた。


一人の部屋に 光毅を 連れて来た時点で、

許したと 思われても 仕方ないし。

キスを してしまったのだから。


「みつき。ベッドに 行こうか。」

私の胸に 顔を埋める光毅に 私は そっと 声をかける。

光毅は 顔を上げずに 頷いた。


私から 離れようとしない光毅を、

まるで 抱きかかえるように 寝室まで運んで。

私は そのまま 光毅に 抱かれてしまった。








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