スパダリの秘密〜私の恋人はどこか抜けている〜
小会議室は上司との面談にも使われる。小さい割には防音もしっかりされており、外から見られる心配もないからだ。慶汰とも何度かここで二人きりで話したことはあるけれど、恋人の顔をされると気まずく感じてしまう。
「まあ本当は気分が良くなくて」
「体調でも悪いの?」
「そうだな、彼女が元彼と仲良くランチしてることに嫉妬するくらいには」
「っ……」
(やっぱり大樹のこと、気付いてたんだ……)
「何もないって言ったのに」
「ごめん、隠したわけじゃないの。ただ敢えて言うほどでもないというか、誤解されたくなくて……」
なるべく周りの目は気にしていたというのに、慶汰のことには気付かなかった。もしかして話を聞かれていたのだろうかと焦っていると、不意に慶太の手が有紗の頬に触れた。
「なに――っ」
掠めるようなキスを落とし、慶汰は煽るような瞳で有紗をとらえる。
そのまま指を鎖骨のあたりまで辿らせると、ブラウスを下げてそこへ顔を埋めた。
「ちょ、何して……!」
「大声出すと、さすがに聞こえる」
「ゃっ……」
ちくりと痛みを残して、慶汰の熱が離れていく。経験したことのある痛みに、有紗は状況を理解し戦慄いた。
「ちゃんと、有紗が俺のモノだって印付けとかないとと思って。今夜は遅くなりそうだし」
「だ、だからって――」
「大丈夫、脱がなきゃ見えないところに付けたから。これで浮気もできないな」
「するわけないじゃない……!」
スマートフォンの画面を手鏡代わりに見ても、慶汰が口づけたところは薄っすらと赤く色づいていた。
「もう、どうしてこんなこと……」
「まあ本当は気分が良くなくて」
「体調でも悪いの?」
「そうだな、彼女が元彼と仲良くランチしてることに嫉妬するくらいには」
「っ……」
(やっぱり大樹のこと、気付いてたんだ……)
「何もないって言ったのに」
「ごめん、隠したわけじゃないの。ただ敢えて言うほどでもないというか、誤解されたくなくて……」
なるべく周りの目は気にしていたというのに、慶汰のことには気付かなかった。もしかして話を聞かれていたのだろうかと焦っていると、不意に慶太の手が有紗の頬に触れた。
「なに――っ」
掠めるようなキスを落とし、慶汰は煽るような瞳で有紗をとらえる。
そのまま指を鎖骨のあたりまで辿らせると、ブラウスを下げてそこへ顔を埋めた。
「ちょ、何して……!」
「大声出すと、さすがに聞こえる」
「ゃっ……」
ちくりと痛みを残して、慶汰の熱が離れていく。経験したことのある痛みに、有紗は状況を理解し戦慄いた。
「ちゃんと、有紗が俺のモノだって印付けとかないとと思って。今夜は遅くなりそうだし」
「だ、だからって――」
「大丈夫、脱がなきゃ見えないところに付けたから。これで浮気もできないな」
「するわけないじゃない……!」
スマートフォンの画面を手鏡代わりに見ても、慶汰が口づけたところは薄っすらと赤く色づいていた。
「もう、どうしてこんなこと……」