スパダリの秘密〜私の恋人はどこか抜けている〜
ぽつりと有紗の本音がこぼれると、同じく休憩に入った大樹が現れる。当たり前のように二人のテーブルに腰を下ろすと、すぐさま有紗の弁当を見た。
「え、それって……手作り?」
「うん? そうだけど……」
「そうそう、愛妻弁当だよね~。あれ、“妻”はおかしいか?」
ゆかりが一人で盛り上がっているのを横に、有紗はこれ以上話を広げたくないと話を切り替える。
「そういえば、飲み会今日だよね? 参加大丈夫そう?」
「俺は今のところ定時予定だけど」
「私も大丈夫だよ~」
結局今日集まったのは五人程度。同期で集まることもそうだが、プライベートの飲み会は久しぶりで、有紗は珍しくテンションが上がっていた。
「よし、私も定時上がりを目指さないとね。さっさと食べて戻る!」
ずっと眺めていたお弁当は、掻きこむには勿体ないほど美味しい。だけどこれ以上慶汰の完璧さを痛感するのは悔しくて、急いで平らげてしまった。
◇
有紗の元へクライアントから急な連絡が入ったのは、その日の夕方。おかげで予定外の外出と帰社後の残業により、同期会に参加したのは夜の十時を過ぎてからのことだった。
「も~なんでこんなにタイミング悪いの!?」
「まあまあ、いいじゃん。二次会から来れたんだから」
有紗が指定の店を訪れた時には、既に先に飲んでいた同期たちは帰るころで、二次会に向かったのは大樹とゆかりを入れての三人。これでは昼休みと変わりないと、小さく肩を落とした。
「なんだよ、俺たちじゃ不満?」
「そんなことないよ。ただみんなで集まれる機会、もうないだろうなって。大樹来週には戻っちゃうんでしょ?」
「え、それって……手作り?」
「うん? そうだけど……」
「そうそう、愛妻弁当だよね~。あれ、“妻”はおかしいか?」
ゆかりが一人で盛り上がっているのを横に、有紗はこれ以上話を広げたくないと話を切り替える。
「そういえば、飲み会今日だよね? 参加大丈夫そう?」
「俺は今のところ定時予定だけど」
「私も大丈夫だよ~」
結局今日集まったのは五人程度。同期で集まることもそうだが、プライベートの飲み会は久しぶりで、有紗は珍しくテンションが上がっていた。
「よし、私も定時上がりを目指さないとね。さっさと食べて戻る!」
ずっと眺めていたお弁当は、掻きこむには勿体ないほど美味しい。だけどこれ以上慶汰の完璧さを痛感するのは悔しくて、急いで平らげてしまった。
◇
有紗の元へクライアントから急な連絡が入ったのは、その日の夕方。おかげで予定外の外出と帰社後の残業により、同期会に参加したのは夜の十時を過ぎてからのことだった。
「も~なんでこんなにタイミング悪いの!?」
「まあまあ、いいじゃん。二次会から来れたんだから」
有紗が指定の店を訪れた時には、既に先に飲んでいた同期たちは帰るころで、二次会に向かったのは大樹とゆかりを入れての三人。これでは昼休みと変わりないと、小さく肩を落とした。
「なんだよ、俺たちじゃ不満?」
「そんなことないよ。ただみんなで集まれる機会、もうないだろうなって。大樹来週には戻っちゃうんでしょ?」