スパダリの秘密〜私の恋人はどこか抜けている〜
抜けた自分を演じていればいいと思っていた。でも、決してそうではない。おそらくいつかは愛想をつかされてしまうのだ。そうなる前に、本来の自分を見せて彼女の気を引こうと思い、ここ最近は甲斐甲斐しく有紗に察してきた。
その結果、有紗に変な目で見られてしまい慶汰は戸惑っていた。
(完璧すぎてもダメって……有紗は本当に難しいな)
今更二人がヨリを戻すとは思っていない。それでも慶汰はいつか自分も有紗に振られる未来を想像して、震えたのだ。
「慶汰って極端すぎるんだよな~。ま、今後も一緒に暮らすってか、結婚? まで考えてるんだったら、下手な芝居してないほうがいいぞ。つーか、慶汰くらいの男にそこまで想われて嫌な女いるわけないだろ」
「……ああ、そうだな」
「いや、ちょっとは否定しろよ」
古くからの友人の助言を噛みしめる。
言わずもがな、昔から顔も性格も良く、すべてにおいて成績優秀だった慶汰は、非常にモテてきた。そんな彼のたったひとつの弱点が、恋人である有紗の前では知性もすべてゼロになってしまうこと。
「その彼女、どこがいいわけ? 聞いてる感じめっちゃプライド高くて面倒くさそうだけど」
「そこがいいんだよ。そういう子ほどギャップにそそられるし、難攻不落なほうが燃えるだろ」
「うーん……慶汰の好みっていまいちわかんねーな」
その結果、有紗に変な目で見られてしまい慶汰は戸惑っていた。
(完璧すぎてもダメって……有紗は本当に難しいな)
今更二人がヨリを戻すとは思っていない。それでも慶汰はいつか自分も有紗に振られる未来を想像して、震えたのだ。
「慶汰って極端すぎるんだよな~。ま、今後も一緒に暮らすってか、結婚? まで考えてるんだったら、下手な芝居してないほうがいいぞ。つーか、慶汰くらいの男にそこまで想われて嫌な女いるわけないだろ」
「……ああ、そうだな」
「いや、ちょっとは否定しろよ」
古くからの友人の助言を噛みしめる。
言わずもがな、昔から顔も性格も良く、すべてにおいて成績優秀だった慶汰は、非常にモテてきた。そんな彼のたったひとつの弱点が、恋人である有紗の前では知性もすべてゼロになってしまうこと。
「その彼女、どこがいいわけ? 聞いてる感じめっちゃプライド高くて面倒くさそうだけど」
「そこがいいんだよ。そういう子ほどギャップにそそられるし、難攻不落なほうが燃えるだろ」
「うーん……慶汰の好みっていまいちわかんねーな」